見知らぬ土地で、京都かどこかの古き良き民家のような建物がある。中は旅館というか、古い料亭というか、少し高めの居酒屋というか…広い玄関の石畳みに入って、右の受付?係の者を通さずに、左の廊下に入る。中庭が見える、明るい場所だ。

進むと、奥の一部屋にたどり着いた。そこは、もともとスタッフ用?の部屋だったが誰かが一人で住んでいたと思われる。入ると、倉庫に近い環境である。左右には棚がつけられており、そこを抜けると、厨房へつながる。

棚には雑多にものが置かれている。しかし、ホコリが被っていたり、明らかに年月が過ぎたのがわかる。目を引いたのは、緑色の引き出物?だった。中に入っているものが腐敗して、膨らみ、汁漏れしているのか、緑色の包み紙は茶色く変色し、箱の形はまるまる太り、大きく崩れている。

引き出物は、葬式のだ。名前は、女性の名前が書いてある。部屋の使い方を見ても、女性が住んでいたんじゃないかと私は思った。

ここの部屋に住んでもいいと言われたが、不吉な感じがしたので、辞めた。しかし、掃除をしないと、この不吉は取り除けないと思った。

別の部屋、この旅館?料亭の近くのプレハブ小屋に毛が生えたような簡易的な住まいに、私は引っ越してきた。その部屋もまた、前に住んでいた人のものが置かれていた。特にベランダ(1階なのでベランダではなく裏庭のようなもの。窓のすぐ向かいには柵がある。)に、折れた傘や、蛇腹ホースなど、ガレキのゴミが積まれていた。その吐き出し窓を開けて、閉めようとすると、ゴミが部屋に侵入してくるくらい、みっちりと窓と柵の間にこれでもかとゴミが敷き詰められていた。くっそ、閉めようとしても、し、ま、ら、な、い!

そこで、世界に没入していた私だが、あれ?この部屋新しく借りるの?私は、もう部屋持ってるよ?もう一部屋借りるの?と疑問が浮かんだ。そして、この部屋の金額と元の家の金額と計算し始めた。

狭苦しい、部屋の真ん中に、腰掛けた。窓は開いたままだ。

そういえば、前にも同じように、今の部屋と前の部屋どちらも借りている夢を見たな…。なぜ、こんなにセカンドハウスばかり持とうとするのか…しかも、素敵な別荘ならいいけど、なぜこんなに、アパートなのか!!

夢ならもっと、豪華な部屋に連れてって!と目が覚めた……